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あひるの競争一発勝負~in 別府ワンダーラクテンチ~

主役のあひるたち。 レース場に仲良く移動。 控え室でお互いを牽制しあうあひるたち。 我々をも無視してデータを取り続ける男。 レーススタート! 一羽が団子状態から抜け出す! クチバシの差で勝利!!

長い梅雨が明け猛暑真っ盛りの7月下旬。我が別府が誇る日本有数の歴史のあるレジャーランド「別府ワンダーラクテンチ」。そしてラクテンチといえば皆さんも一度は体験したであろう「あひるの競争」。今回はあひるの競争に一日を費やした男の挑戦の記録である。
セミの声が鳴り止まない7月某日、絶景のケーブルカーから一人の男が降り立った。家族連れで賑わう別府ワンダーラクテンチにあきらかに異質な男が一人。男は今までの負け続けた人生に終止符を打つ為、あひるの競争1レースのみで絶対勝利を心に秘めていた。男はわき目も振らずにあひるの競争に向かう。そして一心不乱に勝率のデータを取り始める。子供達の歓声。係員の独特の掛け声。楽しい雰囲気の中、一人真剣な顔つきでデータを取り続ける。途中不審に思った係員から「何のデータを取っているんですか?」との問いかけも無視してデータを取り続ける。

余談だがあひるの競争は昭和26年から56年間続いている。もはや大分の名物と言っても過言では無いだろう。初代である亀川出身の堀政一さんが戦争で行った満州にあひるが多くいた事からヒントを得て終戦後、日本で始めてこのあひる競争を始めた。映画などでもたびたび取り上げられ全国でも話題を呼んだ。
8羽で色分けをしたのは競輪を参考にしたからで現在は三代目の野田峰生さんが切り盛りしている。
あひるの競争を楽しめるのは日本でもここラクテンチだけである。
3時間程度経過しただろうか、ついに男が動いた。展開を読みづらい障害レースを避け、単純なスピードのみを競うレースに入って2レース目の時であった。係員を呼びとめ「赤しま、緑、それと赤。」の三点買い。男の手元にある資料に目をやると
36パーセント」
21パーセント」
11パーセント」
8パーセント」・・・。
 通常1点のみで勝負する所だが(1点100円で景品の相場が100円位)迷いが生じたのか、禁断の3点買い。しかし背負うものの大きさがそうさせたのか、今の男にはつっこめなかった。レース開始が近付く。我々にも何故か緊張感がみなぎる。各羽ゲートイン。緊張感はピークを迎える。

 ゲートが開いた。レーススタート。
 本命の赤しまが出遅れる。男の怒号がさわやかな家族連れで賑わうラクテンチに響く。本命の出遅れで団子状態になりレースが混沌とする。しかしその集団から抜け出して来たのが、なんと出遅れた本命の赤しま。本来の足を発揮して見事にゴール前で差しきった。男が飛び上がる。見ていた我々も感動で3年ぶりに涙を流した。

 興奮冷めやらぬ男のレース直後のコメント。  「レース序盤で赤しまが出遅れるというアクシデントがあり、少し緊張しましたが赤しまの足を信じていました。本当に嬉しいです。」